

概要
この記事では、特定非営利活動法人認知症サポートグループONBOARDさんが主催する、認知症マフ リーダークルー養成講座の内容と受講した感想を記載しています。
今後、受講しようか悩んでいらっしゃる方の考える一助になれば、と思い書き留めておこうと思います。
(ちゃんと役立てられるか分からないけど…)
※ONBOARDさんからもリーダークルー養成講座について記事が出てました。
リーダークルー養成講座第1回スクーリングを実施しました(10月20日)
リーダークルー養成講座ってなに?
以下にダラッと私の言葉で講座について書いてますが、
急いでる!端的に知りたい!って方は以下の資料をご覧いただくといいかと。
認知症マフリーダークルー養成講座案内PDF
リーダークルーについて
まず、認知症マフのリーダークルーってなに?ってとこからですよね。
リーダークルーとは、
ONBOARD 20241020リーダークルー養成講座チラシ2.pdf
認知症についての知識を深め、かつ認知症マフの制作技法を習得し、
マフを通して熱意をもって社会貢献活動に尽力するONBOARDが認定する講師です。
ONBOARDさんの講座案内で説明されている内容の一部を引用しました。
つまり、認知症について勉強して認知症マフを編む技能を身につけて積極的に広めよう!
とするリーダーということですね。
実際に知識と技能を身に着けるために半年間にわたって3回の講座を受講し、課題も提出します。
オンラインで直接先生から1対1でフォローアップしていただける時間も取っていただけます。
全講座に出席し、しかるべき課題を提出したのち晴れて認定講師となれば、認知症マフのワークショップを開催できるようになります。
ワークショップで使う資料、ツールや情報提供等のサポートも受けられます。
何より、同じ志の仲間ができるので普及を進めるうえで困った事を共有&相談できるのがいいなと個人的には思っています。
因みに、「認知症マフ」という言葉は商標登録されているそうです。
なので、いくら普及させたい情熱があっても不認定だとこの名前で大々的にワークショップをするのはちょっとダメかもしれない。(直接伺ったわけではないけど、なんとなくそんな気がする。)
費用
受講費:6万円(材料費&オンラインフォローアップ含む)
年会費:1万円(ONBOARDの賛助会員となり、活動サポート費となる)
決して安くない金額ですよねー…。私もちょっと躊躇しました。
特に、年会費というところ。ランニングコストかかるのかー…。
会社員なので、認定講師になれても正直ワークショップ開催できる時間的余裕が確保できるのか未知数で。
(熱意はめっちゃあるし、やる気は満々なんですけどね。)
受講を決める前に電話で事務局に確認しました。
すると、一時的に年会費を払わずに休会というような方法もとれるとのこと。
その間、ワークショップ開催のためのツール提供や情報提供のニュースレター等はもちろん止まるそうですが、また時間ができてワークショップを開催したい!という時はいつでも復帰できるそうです。
良いですね!受講する人の年代や職業、ライフステージやライフスタイルも様々ですもんね。
後に記載しますが、本当に様々な方が集まっていて楽しかったです。
スケジュール
全3回の講座であることは前述したとおり。
講座は10時から16時半までで、午前中は認知症についての座学、午後は認知症マフを編む技能を習得します。


家庭科で使うお裁縫セットのやつ
第1回目(午前):認知症について理解を深める
熱意を持った受講者たち
今回開催された場所は、兵庫県西宮市でしたが、参加者は近畿地方だけにあらず!
なんと北は石川から、南は沖縄まで全国から集まっていました!ビックリ!
最初に自己紹介の時間がありました。
持ち時間は一人1分程度だったのに、皆さんそれぞれに1分では語りつくせない経緯と熱意があり、聞いてるだけで興味深かったです。
看護や介護、社会福祉の現場から来られた方、
マフのデザイン&慣習を担っておられる能勢麻由美先生が大好きで来られた方、
編み物の講師の方や編み物が好きで来られた方。(←わたしもここに分類されますね。)
受講後に積極的に声をかけさせていただいて繋がった方もいますが、個人的にはもっとじっくり交流を深めたかったなと思いました。
様々なバックグラウンドを持つ人たちが、同じ思いを抱いて集まったのかと思うとすごく嬉しかったです。
受講する前は、地域の病院にマフを届け始めたばかりで一人で細々と頑張っていく感じになるかなと思っていただけに、感動しました。
それに、認知症についてやマフに対する考え方もそれぞれに違っていて、それも良い刺激になりました。
座学1:認知症サポーター養成講座
まずは、認知症サポーター養成講座から始まりました。
今回の開催場所が西宮市だったからか、西宮市社会福祉協議会の方が来てくださって、講義してくださいました。
講義は認知症サポーター養成講座標準教材である「認知症を学びみんなで考える」冊子と、これをもとに作成された配布資料を使っていました。以下に内容をまとめます。


認知症サポーターとは
学び
認知症を正しく理解し、認知症に対する誤解と偏見を解消し、認知症の人や家族を応援する人の事だそうです。
サポーターだから何か特別なことをしないといけない!という決まりがあるわけでもなく、認知症とは普段関係のない方だとしても、他人事にせず当事者意識を持つことが大切であると。
認知症の人やその家族が困っていたらただ話を親身に聞いたり、認知症に対する偏見をなくす活動をするのも役割の一つになるそう。
講義の終わりに認知症サポーターの証としてオレンジリングとサポーターカードを頂きました。
これはサポーターであることを示す目印になるそうです。
実際、街でこの目印を見るとホッとするご家族や心がすくわれる認知症患者さんがいらっしゃるというお話も伺いました。
気づき
このサポーター養成講座を受けて、認知症マフの普及は、認知症に対する偏見をなくす活動に当たるんだろうなと思いました。
普段認知症とは全く関係のない方にも認知症を知ってもらう良いきっかけになるんじゃないかなって。
まさに私がそうだったので。
私のように認知症の事あんまり知らないけど、毛糸を使って誰かの助けになれたらなーとなんとなく思って理解を深めていく入口があっても良いよねと思えました。



認知症になったら?家族はどうする?どう接する?
学び
もし当事者になったらどう受け止めるべきか?
認知症になっても元気に自分らしく暮らしていくためにはどうするのか?
認知症になった当事者から認知症サポーターの方に向けて伝えたいことがまとまっていました。
また、家族はどう受け入れていくのか。
一人で抱え込まずに誰かに打ち明けたり支援センターへ相談することの大切さについても学びました。
そして最後に、認知症の方やそうかもしれない方と接する場合はどう接するといいのか心がけについて。
気づき
認知症について全然知らなかったことばかりでした。
特に驚いた事は、「認知症」という言葉を検索したりすると暗い話ばかり出てきちゃって、より暗い気持ちになってしまうということ。
全てが急にできなくなるわけじゃないし、自分らしく元気に暮らしている方もたくさんいらっしゃるのに、認知症だと診断されてネットで調べてみると、これからどうなってしまうのか不安になってしまうそうです。
私はまだ身近に認知症の方と密に接する経験がなかったので、そんな気持ちになるのか…と思ったのと、もっとマイナスなイメージだけでなく、今まで通りの生活を継続して元気に自分らしく生きている方たちの情報も同じくらい知れるようになると良いのになと感じました。
そして新鮮に感じたことが、認知症の方の気持ちを学んだ時、なんだか幼児の子育てと共通点があるような気がしたこと。多分、私が今絶賛子育て中だからだとは思うけど。
共通してるかもと思った点を挙げると
- できるだけ自分のことは自分でしたいと思っている。過度に助けを求めているわけでは無い。
- 困っている時は何に困っているのか、何を手伝えばいいのか、まずは聞いてほしい。
- 時間がかかってもゆっくり説明してほしい。
どうでしょう。ちょっと似てませんか?
自分でなんでもやりたくなってくるけど、上手くいかない3~4歳児と似ているような。
もちろん、決して認知症の方は幼児と一緒だよねと軽んじているわけではありません。
ただ、こうやって考えると、少し認知症の方を上手く理解できるんじゃないかなって。
例えば私の親が認知症になったとして、
手のかかったであろう私を大切に育ててくれた親を、今度は自分が親のような気持ちで見守り受け入れ接していくことができればいいなって。
もちろん、子育てと違うところは、できない事が増えていくので、圧倒的に切ないし悲しいし、分かっていても受け入れられない事もたくさんあるので、実際は全く違うのかもしれません。
現在、当事者となり真っただ中で不安に苛まれている方や、悩んでいる方からするとこんな考え方も不謹慎だと感じられたら、本当に申し訳ありません。
でも、今感じた素直な感想を書き留めておきたいなと思いました。
いつか身近な人が認知症になった時、できるだけ暗くならず、こういった考え方もできるんじゃないかと思い出せるように。
認知症を理解する
学び
認知症の症状やメカニズムについて、行動や心理状態を理解することを学びました。
あらわれ方は人それぞれ違うことや、どう経過していくのかについて、そして、そもそも認知症発症のリスクを減らすことや進行をゆるやかにする事なども知りました。
気づき
認知症は思い出がこぼれていく、忘れていく症状のことだというのが寂しく印象的でした。
本当に…切ないですね。
きっと、認知症の当事者の方も不安になっちゃいますよね。
できるだけ回りが本人を安心させてあげられるように、「あなたのことを私はとてもよく知っていますよー」ということを声かけて伝えるのがいいのだそうです。
- 好きな食べ物
- 大切にしている物
- 苦手なこと
- 行きたい所
- 思い出の場所
- 楽しみにしている事
こうやって書くのは簡単だけど、実際は難しいんだろうなーと思いました。
当事者の家族は覚えているのに、どんどん忘れていくのを目の当たりにすると穏やかな気持ちで受け入れられるのかなって。
講義の中では、無理に受け入れなきゃってするのではなく、戸惑ったり割り切ったりする気持ちも否定せずにありのまま受け止めて向き合っていくことができるようになると学びました。
とっても難しい事だろうけど、この事を知れてよかったなと思いました。
いつか自分が認知症の家族になるかもしれないし、私自身が認知症になることもあるかもしれないので。
次回
思ったより記事が長くなってきたので、以下のトピックについては次の投稿で引き続き書いていきますね。
- 座学2:認知症高齢者数の推移やアルツハイマー型認知症を発症する過程について
- 認知症マフ(ベーシックマフ)製作